2006年06月05日
『Emacs辞典』
Lispを学ぶのは外国語に似ている、と思う。カスタマイズのためにEmacs Lispをなんとなく読んだり人が書いたものをコピーしたりはできるけれども、書くのはどうもしっくりこないというか、ネイティブからすると滑稽なコードを書いているのではないかという不安が常につきまとう。Lispがわかったときの世界はわかっている人たちの会話を見ているととても楽しそうで憧れるんだけれども、どうにもこれまでに蓄積してきたプログラミング知識が頭にクリスタライズされていて言語体系の違いを受け付けるのを阻害する。いろいろEmacsの入門書を読み漁ってはみるのだけれども、いまいち効果が付いたのかどうかが釈然としない。実際にやってみるといいよ、と言われるものの、慣れる前にどうにも飽きてしまう。
まぁLisperになりたいかと言われると微妙なのだけど、Emacsは一日中使っているツールだし、これの拡張くらいはさくさくと書きたいものである。自分の本棚を見てみると、『GNU Emacsマニュアル』『やさしいEmacs Lisp講座』『入門Meadow/Emacs』『便利に使おうMule for Windows活用入門』とEmacs関連は並んでいるのだが、一向にさくさくと行かないというのはほとほと困ったものだ(この中では『やさしいEmacs Lisp講座』が群を抜けてEmacs Lispの書き方について詳しくて良いのだけど、漫画でもない会話調の文体の技術書は、どうにも体質に合わなくて読み進められない…)。
さて、前置きが長くなったが、本書『Emacs辞典』は、Lispの実行環境兼エディタであるEmacs自体の操作、主要モード、そしてEmacs Lispの入門から構成されたコンパクトな辞典だ。大袈裟っぽいけど、「5ページめくって私は購入を決意した」。
コンパクトなサイズのページに基礎から応用までぎっちりと説明が埋め込まれている。操作やモードを説明する入門パートでの選出内容とその順番が程よく計算されており、わかりやすい。後半を構成する(Emacs)Lisp入門と関数紹介はちょっと説明がはしょられすぎて何度か読み返さなければいけない箇所はあるものの、総じて簡潔かつ明瞭に述べられており、また使用例がすぐに続いていることで理解を助けている。
Emacsのカスタマイズという面から言えば、本書だけではあまり助けにならない。本書はあくまでヒントであり、これまでにいろいろと拾ってきたカスタマイズEmacs Lispを正しく理解したり、あるいは自分でEmacsのヘルプを見ながら独自のモードや式を作ったり、というときにその真価が現れてくるものだろう。
私がこれでバリバリとEmacs Lispを書けるようになるか、というと多分そうはならないだろうという確信があるが、ふと調べたくなったときにすぐに広げられる参考書として、今後役に立ってくれそうだ。
しかし、最後の章を見るにつけ、Emacsのフォント設定はもう少しなんとかならないものだろうか。
![[hatena]](http://d.hatena.ne.jp/images/b_entry_de.gif)
![[RSS]](/d/rss10.png)