2006年11月05日

『運転』



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子供の頃、学研の図鑑をよく読んでいた。主に開いていたのは昆虫や電車の図鑑だったが、図鑑シリーズの1冊にはいろいろな乗り物の解剖図と運転席の写真、巻末付録には(本当に動かしちゃ困るので触りだけだけど)動かし方まで載っているものがあり、秋葉原の交通博物館に父親に連れていってもらっては夢を膨らませていた(ような気がする)。

本書を読んで甦ったのは、その懐しい感覚だ。著者の丹念地道かつ体当たりな取材からつむぎ出されるその文章からは、さまざまな乗り物の運転席が鮮明に写し出され、その運転感覚を楽しむこともできる。単なる運転方法を集めただけではなく、それを実際に職業あるいは趣味として各専門家が思い入れタップリに答えていることがその秘訣だろう。

電車、ジャンボ、潜水艦、バス、ヘリ、胃カメラ、SL、タンカー、カヤック、飛行機、スキージャンプ、雪上車、ジェットフォイル、地下鉄、ヨット、ラジコンヘリ、ホバークラフト、馬、トロリーバス、川下り、モノレール、熱気球、競艇、トレーラー、車いすレーサ、アシモ、馬運車、グライダー、都電、リニア。よくもまぁ集めたものである。宇宙モノがないのは日本の寂しい事情の反映か。

著者が自動車関係のライターなこともあり、マニアでもないとよくわかんないキーワードがときどき出てくるが、それを差し引いても楽しめる佳作。息子と電車の運転絵本を眺めてたらなんかワクワクしてきちゃった、というパパにはぜひともお勧めしたい。文庫化されているのでコストパフォーマンスも上々。