2005年09月14日
『ユーザビリティエンジニアリング原論』
読了。本書は、IBM研究所・サンマイクロシステムズにてユーザーインターフェイスの専門家を務め、現在においてもユーザビリティの大家として知られるJakob Nielsen氏の著作である。
ユーザー向けのソフトウェアやハードウェアの開発において、ユーザビリティについてはどのくらい考えているだろうか? Windows、MacOS、GNOMEなど各種OS/デスクトップ環境での開発においてはそれぞれのポリシーに従うことで、ある程度ユーザーの混乱と学習コストを下げることに成功できる。しかし、すべてがポリシーに書かれているわけではないため、どこかで設計者や技術者が恣意的に判断をして作り込まなければならないという場面は多いはずだ。
本書は、完全なユーザーインターフェイスというものを提案するものではない。「ユーザーのために」どのように設計者や技術者は思考すべきかという説明に重点が置かれている。その中でも、「テスト」は大きなウェイトを占めている。ユーザーの意向をいかにうまく掬い取り、それをどこまで実現・反映するのが適切だろうか。本書はそれをいくつかの観点で説明している。
例題も多く、巻末には練習問題もあるので、教材としても役に立つだろう。翻訳についても特に大きな問題は見られず、比較的読みやすい(脱字はいくつかある)。ただ、本書を読んでもすぐにユーザビリティやインターフェイス設計の達人になれるというわけではない。本書の論理を基本として身につけ、それを念頭に置いて実践の場で設計するというのが正しい使い方であろう。ユーザーインターフェイス込みのソフトウェアを我流で書いている方には、本書と、その他のデザインポリシーガイドをあわせて読まれることをお勧めする。
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