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『Debian GNU/Linux 徹底入門 第3版 〜Sarge対応』
クイックセットアップガイド

Debian GNU/Linux においては、「これがデフォルトである」というお仕着せの環境というものは存在しません (せいぜいデフォルトのシェルが bash であるといった程度です)。本書でもこの理念に従って、できるだけユーザーの選択肢を狭めないように記述してきました。ただ、Debian 初心者の人にとっては、インストーラの終了後に放っておかれてしまった気分になることも多いようです。

このページでは、インストールの終了段階から、本書の付属 CD に収録している独自メタパッケージを使ってデスクトップ環境を構築する手順について、ごく簡単に紹介します (画像をクリックすると、実サイズに拡大されます)。書籍で詳細に記述している箇所については、画面のみの掲載としています。[ENTER] はキーボード上のEnterキーを意味します。

1. 付属 CD または 付属 DVD を使い、本書「2.4.3 初期ユーザーの設定」の手順まで進めます。
2. 本書「2.4.4 APTの初期設定」として、最初に付属 CD を入れて「cdrom」を選択します。
3. 「ほかの CD-ROM を探しますか?」と尋ねられます。付属 DVD に交換して、「はい」を選びます。
4. 再度「ほかの CD-ROM を探しますか?」と尋ねられますが、もう必要ないので「いいえ」を選びます。
5. 本書「2.4.5 タスクの選択とパッケージのインストール」のとおり、ソフトウェア選択では何も選ばず、そのまま「了解」に進みます。以降、「2.4.7 ようこそ!」の手順まで本書どおりの手順で進みます。
6. 本書「2.5.1 ちょっとした調整」の「日本語コンソールの調整」を行います。「login:」のプロンプトに「root」、「Password:」のプロンプトにパスワードを入力してログインします。そして、「LANG=C apt-get install jconsolewrapper[ENTER]」を実行します。「Media Change: Please insert the disc labeled」のようにメディアを変更するよう要求されるので、付属 CD に入れ換えてから [ENTER]を押します。以降もこのように何度か CD ←→ DVD の入れ換えを促すメッセージが表示されるので、その都度交換して[ENTER]を押してください。
7. jconsolewrapper パッケージがインストールできたら、jc[ENTER] を実行して日本語コンソールを開きます。
8. 次に、「debconfの調整」も行います。本書のとおり、dpkg-reconfigure -p medium debconf[ENTER] を実行します。最初の質問にはデフォルトの「ダイアログ」を選び、次の優先度の質問では「高」に変更します。
9. 「電源制御の調整」として、PC の電源制御方式に応じて apt-get install apmd[ENTER] または apt-get install acpid[ENTER] を実行します。「続行しますか?」という質問が出たときには、そのまま [ENTER] を押せばインストールが進みます。
10. これから一度に本書「お仕着せ」のデスクトップ環境のインストールを行います。最初に、read-edid パッケージと mdetect パッケージをインストールします (本書「6.1.2 XFree86の設定」を参照)。apt-get install read-edid mdetect[ENTER] を実行します。
11. 続いて、一度にインストールするのに使うメタパッケージを指定して、インストールを行います。ここでは、GNOME 環境をセットアップします。apt-get install tettei-desktop tettei-gnome[ENTER] と実行します (KDE 環境をセットアップしたいときには、tettei-gnome の代わりに tettei-kde を指定してください)。これらのパッケージの詳細については、本書「3.7.2 メタパッケージ」を参照してください。
12. メタパッケージインストール作業の最初は、X の設定です。本書「6.1.2 XFree86の設定」の4.以降を参照してください。大雑把に設定しておいて (単に[Enter]を押していくなど)、あとから本書「6.1.3 tettei-xconfigによるXFree86の設定」の手順で再設定することもできます。
13. 次は Postfix メールサーバーの設定です。本書「3.7.2 メタパッケージ」に説明がありますが、「サーバーの種類」に「ローカルのみ」を選ぶほかは、そのまま [ENTER] を押していけばよいでしょう。
14. 続いて、リョービフォントのライセンス承諾確認の質問になります。使用許諾契約書は、本書の付属物説明のページにもあるので、確認してください。「了解」を選び、「リョービソフトウェア使用許諾契約書に同意しますか?」の質問に「はい」と答えると、インストールが進みます。
15. debconf の機構上、手順14.と同じものが出てきてしまいます。やはり「はい」を選んで進めます。
16. これでひとまずインストールは完了するはずです。X が正常に起動することを確認しましょう。startx[ENTER] を実行すると、GNOME デスクトップ環境が起動します。「アクション」→「ログアウト」で GNOME は終了します。うまくいかないときには、本書「6.1.5 Xのトラブルシューティング」を参照してください。
17. 以降はウィンドウシステムでそのままログインできるよう、ディスプレイマネージャをインストールしておくことにしましょう (本書「6.5 ディスプレイマネージャを使う」を参照)。apt-get install gdm[ENTER] を実行してインストールします。
18. reboot[ENTER] を実行して PC を再起動すると、gdm ディスプレイマネージャが起動します。root 権限の作業を行うには、ユーザーでログイン後、「アプリケーション」→「システム・ツール」→「Root Terminal」で root のパスワードを入力すれば、root 権限を持つウィンドウが開きます。PC を停止するには、「アクション」→「ログアウト」を選び、「シャットダウン」にチェックを付けて「OK」をクリックします。

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