Debian的KDEpo作業方法


Debian的KDE po作業方法

KDEはpoを放置して油断してると達成率でkde-i18nから足切りされるらしい。コエー。

kde-i18n-jaがなくなるのははなはだ困るので、作業を手伝うことにした。とはいえ量が一杯あるし、数名でできるものでもない。Debianユーザがさっくり参加できるよう覚え書き的メモを残しておく。

ささっと書いたものなので間違ってたらご指摘/修正ください。

準備

とりあえずDebian。KDEの関係上、sidがいいと思う。

あと、次のdebパッケージを入れておく。

また、作業の開始や状況を報告するため、KDeveloper ML( http://www.kde.gr.jp/ml.php )に入っておこう。

ダウンロード

H16年9月29日(水)現時点でのターゲットは、KDE_3_3_BRANCHである。

これをcvsでダウンロードする。

  1. cvs -d :pserver:anonymous@anoncvs.kde.org:/home/kde login
  2. パスワードは空のままEnter
  3. cvs -z 9 -d :pserver:anonymous@anoncvs.kde.org:/home/kde checkout -rKDE_3_3_BRANCH kde-i18n

これでkde-i18nディレクトリができてその中に大量のファイルが置かれる。 以降では、kde-i18nディレクトリを格納しているディレクトリを (格納ディレ クトリ) として表す。

frだのesだのに興味はない!という方は

だけでもいいと思う。

ちなみに更新されたかどうかは、各ディレクトリで

ついでに、まちがってCVSのHEADのほう(-rオプションでブランチ設定しなかった)を取ってきてしまったら、

kbabelの設定

kbabelは翻訳支援ツールで、よさそうではあるのだが現時点のsidのはファイ ルを手で編集して保存すると壊れるというファンタジーな仕様になっている。

とはいえ、状況の確認や自動生成などはとても便利なので、できるだけ活用し たい。

  1. 初回の起動では、基本環境のセットアップがある。
  2. 「個人情報」では、名前、ローカルな名前(この2つは同じでいいだろう。英語アルファベットで書いたほうが無難)、Eメール(連絡があるかもしれないのでvalidなものを。でもspamもくるかもなー)を指定。正式な言語の名前には「Japanese」、言語チームのメーリングリストには「Kdeveloper@kde.gr.jp」、タイムゾーンには「JST」としておく。フォームの数は2になっているが、1に変更する。
  3. 「編集」では特にやることはないが、あえてやるならフォントタブを選択してフォント設定をしておく。
  4. 「保存」では、エンコーディングが「UTF-8」になっていることを確認。
  5. 「スペルチェック」〜「その他」は特に指定しない。

これらはあとから「設定」→「Kbabelの設定」で変更することもできる。

次に自動翻訳をするための辞書を作る。

  1. 「設定」→「辞書の設定」→「翻訳データベース」と選び、「データベース」タブを選択。
  2. データベースディレクトリに、「(格納ディレクトリ)/kde-i18n/ja」を指定する。
  3. 「ディレクトリ&サブディレクトリをスキャン」をクリックして、辞書を作る。けっこう時間がかかるはずだ。
  4. 終わったらOKを押して閉じる。

次に、「ツール」→「カタログマネージャ」(アイコンの一番右にもある)を選 択して、カタログマネージャを開く。

「設定」→「カタログマネージャの設定」で、ディレクトリを設定する。

  1. 一般タブが選択された状態にする。
  2. POファイルのベースディレクトリには、「(格納ディレクトリ)/kde-i18n/ja/messages」を設定する。
  3. POTファイルのベースディレクトリには、「(格納ディレクトリ)/kde-i18n/templates」を設定する。

これでズババとディレクトリの検索が行われる。

作業開始、の前に

空いているものをまずは探そう。

カタログマネージャで!マークや×マークは訳が完成されていないものだ。緑 のチェックマークが付いているものはすでに訳が終わっている。フォルダで赤 いものは未訳のファイルがあるもの、緑のものは完了してるものなのですぐわ かる。

最初にいきなり大きいものをやると精神的に死ぬので、小さいものからやって いったほうがいいと思う。カタログマネージャで「Fuzzy」「未翻訳」「合計」 に注目する。合計が多いのはヘビーなものである証拠ではあるけど、その割に Fuzzyや未翻訳の数が少ないようならごく一部の修正だけで済む。×マーク(まっ たく訳されていないもの)のは勝手の分からないうちは避けたほうがよいかも しれない。

訳そうかなというものが決まったら、KDeveloper MLで宣言しよう。コーディ ネータはこもださんがやってらっしゃるので、MLでアドレスさらすのはイヤダ という向きの方はこもださんの手をわずらわせない範囲で直接コンタクトする のもいいだろう。

完全ではないけれどもいちお現在の作業担当ぶりがわかるようなwikiも用意し ている。KDeveloperで表明の上、適当に追加修正していただきたい。

http://www.kde.gr.jp/pukiwiki/index.php?KDE3.3%A4%CE%CB%DD%CC%F5

おおまか翻訳

kbabelだけでできるといいのだが、sidのkbabelはバグがあるため完全な利用 には耐えない。

しかしおおまか翻訳は便利なのでこれは活用しよう。

kbabelのカタログマネージャで目的の翻訳をダブルクリックし、kbabel作業ウィ ンドウに開く。これで「ツール」→「おおまかな翻訳」を選ぶと、辞書(とい うかこれまでの訳者さんたちの蓄積)をもとに似たようなもの/同一なものがあ ればズババと機械的に訳を済ませてくれる。すばらしい。

終わったら「決して"翻訳された文字列"の部分をいじらずに」ファイルを保存 する(いじると壊れる)。

  1. カタログマネージャでファイルをダブルクリック
  2. Alt-T Alt-P (おおまか翻訳)
  3. Ctrl-S (保存)

を繰り返すのが楽だろう(ショートカットキーの調整もできるので、ファンク ションキーとかに割り当てちゃってもいいかも)。

poの編集

kbabelで編集は危険なので、おおまか翻訳のあとはEmacsなりviなりで直接編 集するのがよい。ここではEmacsで作業する手順を説明する。

対象ファイルは、(格納ディレクトリ)/kde-i18n/ja/messages/の下に各セクショ ンがあり、その中に〜.poという名前で見つかるはずだ。

これをEmacsで編集するのだが、UTF-8なのでそのまま開くとうまくいかないか もしれない。Ctrl-U Ctrl-X Ctrl-F で開くファイルを指定し、Coding systemに 「utf-8」を指定すればUTF-8として開くようになる。

拡張子poのファイルをEmacsは自動的にpo-modeで開く。このmodeでさくさく作 業を進めることができる。おおまか翻訳である程度の面倒な部分は済んでいる ので説明も楽だ(笑)。

  1. msgidが英語の文面、msgstrが翻訳した日本語文面となる。
  2. msgidのところなりmsgstrのところなりでEnterを押すとmsgstrの編集モードになる。
  3. 編集モードでは、<というのが出てくる。これは行末を表すものだけど、間違って文の途中に入れるとそのまま入ってしまう。編集モード中にこれを消しても問題ない。また、msgidのほうで「\n」となっているのは改行箇所なので、編集モードで該当するところには単に改行を入れておく(これでmsgstrに戻るときに\nに変換される)
  4. %1や%2には実行時に値が入るようになっている。文面を考えておこう。
  5. Ctrl-C Ctrl-C を押すとmsgstrが更新される。
  6. 「,Fuzzy」となっているところは注意しよう(カタログマネージャでは!と表示されるものだ)。一見訳されているように見えるけれども全然違っていることもある。修正したらTabを押せば,Fuzzyは消える。
  7. fuzzyなものはf、未訳なものはuを押せば探せる。画面下にもfuzzyと未訳の数は出てる。
  8. 終わったら普通に保存。
  9. モノによっては「,Fuzzy」がTabで消えないことがある。こういうときにはEを押して直接編集モードにして削除、あとはEsc-X po-modeでまたpo-modeに戻ればいい。

通常のpoからの独自拡張 ( http://www.kde.gr.jp/document/po/ ) もあるので注意しておこう。要は_:とか_n:とかではじまってる行については 訳さないということさえ覚えておけば十分そうだ。

また、KDE独自関係だと次の点があるようだ。

ファイルを変更して保存すると、カタログマネージャのウィンドウにも即座に 反映される。チェックマークで埋められるようひたすら作業する。

作業報告

終わったら、KDeveloperに終了報告をするのがよさそうだ。できあがったpoに ついては別途こもださん宛てに圧縮して送るのがよい模様。

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変更履歴


Last modified : 2004/09/29 09:34:05 JST