2014年07月30日
_ [travel] クラクフ〜ベルリン〜プラハ周遊 (1)
メキシコ行ってから日がさして経っていない気もするが、早めの夏休みでヨーロッパに行ってきた。メインはアウシュビッツ(ポーランド)、サブでフランツ=カフカの足跡巡り(チェコ)。
夕方に成田ターミナル1からエミレーツ航空で飛ぶ。成田遠い……。フライトまでに、周遊型グローバルWiFiのレンタル、軽食にマクドナルド(1年ぶりくらい? 味はあいかわらずなのにすごく高くてびっくりした)と摂取しておく。
機材は残念ながらA380はもうなく、B777。空いていたのでパートナーは4席占拠に。夕食はステーキ、朝食はサバごはん。どちらもまぁまぁの味。映画は『Frozen(アナ雪)』『エンダーのゲーム』『Divergent』。Frozenは確かに面白いしCGは一見の価値があった。『エンダーのゲーム』『Divergent』はどちらもブートキャンプでほとんどの尺を取ってたんだけど、そういう流行りなんですかね。エンターテイメントシステムが不調で、何度も一時停止する。
ドバイに到着するも空港のはじっこの駐機場で、結局ターミナルのゲートに着くまでに30分くらいかかった気がする。荷物チェックを受け、ワルシャワ行きのゲートへ。30分の無料WiFiを利用してオフィスのトラブルシューティングなどを少し行う。
あいかわらずギランギランな空港だけど、微妙に案内が不親切だったりもする。
再び機上の人。ワルシャワに向かう。機材は同様に777。エンターテイメントシステムがショボくなっていた。
離陸時にはドバイが誇るブルジュハリファも。厚い雲り空だったので、雲を通してうっすら妙に高い塔がある、という程度の見え方。
朝食にクロワッサンやフルーツ、昼食にマトンビリヤーニ。ビリヤーニがおいしかった。
映画は『Divergent』の続きと、『アヴェンジャーズ』。ロキがあいかわらず不当に間抜けな扱いだ…。
定刻にワルシャワ空港着。羽根がふわりと床に着くような、柔らかで見事な着陸で、拍手が起きた。
MH17便撃墜の報は後でニュースで知って驚いた。エミレーツのドバイ-ワルシャワの便もウクライナの東を通ったほうが本来は効率良いっぽいけど、ここしばらくはむしろイラク上空を抜けて(ただしシリアはギリギリ避けて)トルコ、ルーマニア、ウクライナの西側と通っていくコースを取っているようだ。
EU外の入国審査は超混んでいた…。1時間近くかかった? でも日本人にはかなりあっさり。
到着後はこれまでは両替に行くところだったのだが、今回は3ヶ国で全部通貨が違うし、空港両替の手数料を勘案すると、ATMで引き出すほうが適切と判断していた。ただ常用カードがATMに吸い込まれてしまったりすると困るので、JTBがやっているMoneyTというプリペイドカードを使うことにした。
MoneyTは、銀行の専用口座が開設されて、そこに円で振り込んだ残高から、海外のATMで専用クレジットカードを使って引き出せるという仕組み。レートはそれほどよくないが、両替所での手数料とか待ち時間とか両替商がインチキしてないかとかいった諸々に対して十分に見合いそう。盗まれて最悪引き出されても、チャージしている残高以上に何か発生することはない。
ということで到着ロビーでさっそく引き出しに成功。今回の行程ではクレジットカードが通用しやすいので、現金はあまり持たないことにする。
さて、ワルシャワの空港から中央駅までは、SKM3かKMLという路線で行ける。空港のtransport ticket売り場で切符を買い(4.40zl/人)、少し待ってKMLが来たので乗車。切符刻印は車内にあるので、自分で差し込んで刻印。動いてしばらくすると検札が回ってくるので、乗車したらすぐにやっておかないと危険(旅行者でも容赦ないっぽい)。
グローバルWiFiの電源をON。無線APとして普通に見えて使える、がなかなか3.5Gとかは掴んでくれない。
ワルシャワ中央駅は東欧らしいモノトーンな地下駅だけど、それがまたいい。
クラクフまでの特急切符を買おうとするが、切符売り場の列が進まず、1時間先の列車(127zl/人)。少しだけだけど、駅から外に出てワルシャワの街を見てみる。大きな複合商業施設のほかに、戦時から復旧させた各種の建物が並ぶ。日陰は涼しいのに、日なたはひどく暑いというか日射しが強烈。
InterCityに乗車し、クラクフへ。窓のない席を割り当てられてしまった。キャンプ用具一式を持ってきたかのような大きな荷物やら自転車やらを持った旅行者だらけ。そして前のほうはポーランドのヨッパライ?が大騒ぎしていた。
途中、飲み物とお菓子のサービスあり。
3時間ほどでクラクフ駅に到着。
宿は旧市街内のCracow Apartments24。徒歩で向かう。 駅には大きな商業施設Galeria Krakowskaが直結していて、買い物や食事をここで済ませることもできそうだった。車中でパートナーが風邪をひいた模様。
Cracow Apartmentsはその名のとおりホテルではなくアパートで、ホテル的なサービスはない(タオルの交換とか掃除とか食事とか)が、部屋は広く、IHのキッチン付き。通りもわりと静かで、中心部に近く、なかなかよい。金庫がないのはちょっと困るけど、外から2重〜3重の鍵を使わない場所ではあるので、部屋に入ってこられてしまうようではすでに終わっていると言えなくもないか。
買い物と夕食探しへ。夕食はあまりピンと来るところがない……。スーパーの食材はとても安い。ビールも安いよ。クラクフはもっと田舎っぽいイメージだったのだけど、観光客を含めて人がたくさんいて賑っていた。
結局、流行っているケバブ屋でケバブサンドとロールを買い、部屋で一杯やりながら夕食。 疲労困憊でそのまま倒れるように寝た。
翌日。早朝に起きて、スーパーで買ったパンとハムとチーズとザワークラウトの朝食を取り、アウシュビッツに向かう。
RDAバスターミナルというところから、アウシュビッツのある「オシフィエンチム」へのバスが出ているのだが、このターミナルは駅を挟んで反対側にあり、予想以上に遠かった。
早朝に起きて急ぐ理由はいくつかあって、混む・暑くなるということのほか、夏季のアウシュビッツはAM10:00を過ぎるとガイドツアーのみでしか入れなくなってしまい、自分のペースで回れなくなる。
窓口で、オシフィエンチム行きのバスのチケットは地下に行ってドライバーから直接買え、とのことで、ギリギリのタイミングで7:10のミニバスに飛び乗り、アウシュビッツへ(12zl/人)。席もほぼ満席で、観光客よりはローカルのほうが多く、大半はオシフィエンチム駅で降り、その後のアウシュビッツでは我々ともう1組しか降りなかった。2時間弱。降りた近くからクラクフ行きのミニバスが出る(&アウシュビッツ施設からの案内は全然ない)ので、場所をちゃんと覚えておく必要がある。多分このへん↓。
案内に従ってアウシュビッツの入口へ向かう。店は少ないが、飲み物や軽食を買う程度のところはあるようだ(少なくとも夏は)。
アウシュビッツの入口にはすでにツアー待ちっぽい人もたくさんいる。背負いバッグは禁止とのことで、地下の預け所に預け(2zl/個。トイレは1zl。アウシュビッツ内にトイレはない)、水と小さなカバンだけ持っていく。
パートナーが買って読んでいた『新訂増補版 アウシュヴィッツ博物館案内』(凱風社、中谷剛(アウシュビッツガイド)著)をガイド代わりに回っていく。
歴史の教科書などでよく登場する「働けば自由になれる」(ただしBは逆になっている)の門を抜ける。
チクロンの缶、義体、革製品。
一見するとヘルシンキあたりの大学のようにも見えるが、高圧電線鉄条網が物々しい。
ヘス所長の絞首刑台、ガス室。
荷物をピックアップし、第2アウシュビッツとも言われるビルケナウにちょうど出発まぎわの無料バスで向かう。 が、ここで「荷物をピックアップ」したのは完全な誤りだった。
この情報はこれまでいろいろ見たページやどのガイド本にも書かれていないのだが、ビルケナウも荷物持ち込みの厳しさはアウシュビッツ1と同じであり、かつ「荷物を預かる場所もない」。かろうじてドリンクやスナックを売る自販機はある、というくらい。ちなみにトイレもビルケナウの中。
普通はツアーで行くので荷物を置きっぱなしにしたり、ピックアップしようとするとガイドから注意されたりするのだろう。ビルケナウ周辺は本当に何もないので、アウシュビッツ1で預けたまま、軽装で来なければならないということだ。
ということで、どうしようもないので、ビルケナウ探索と荷物番と交互に担当することにし、まずはパートナーがビルケナウに出撃。
パートナーは2時間かけて探索。日射しはかなり強烈で、この中よく1.75平方キロを歩いてきたな……。自分のターンになるも、待っているだけで疲労MAXになってしまったし、カメラのバッテリも尽きつつあったため、30分ほどで切り上げ(絶望するほど広いので、戻るのも勇気がいる)、バス時間に合わせて帰路に向かうことにする。
アウシュビッツ1に戻り、帰りのバスが博物館前から出るような書かれ方をしていたのだが、結局見つからず、最初のミニバス降車場所に向かう。またまたギリギリ乗車&椅子確保。クラクフへ戻る。あー、大変だった……。本当に疲労困憊。
Galeriaのジューススポットで生オレンジジュースをして蘇生(高かったけど美味しかった)。そういえばビルケナウで待っている間のナッツと水以外、口にしていなかった。
3Fの大きなカルフールで夕食食材を購入。パートナーが100gと言って頼んだケーキは、190gだった。それは100gじゃない……。
屋台には、トルコのシミットのような、ゴマがけのリングパンがよく売られてる。
アパートに戻って、昼夕食の作成。マッシュルームを塩と胡椒で炒め、トマト、燻製チーズ、パン。 1日2食&クタクタだったので、予想どおり後でいろいろとまずいことになった(けど、疲れすぎてぶん投げ)。
翌朝も晴れ。いろいろ話し合って、あわただしい旅程はやっぱりトラブルとか病気の元になることはクリアになったので、今後は1人旅でもない限り、欲張らずに1箇所からあまり動かない旅行を指向したほうがよいだろうという結論。
気をとり直して、朝ごはんどころを探しに出かける。……が、なかなかいいところがないな。
ヤギェウォ大学の周辺なら何かあるかと思ったけど、中心から外れすぎて逆に何もない。人形時計がちょうど時を告げていた。
そこそこ流行っているバールに入る。ビゴス(肉とザワークラウトの煮物)、豆のボルシチ、ピエロギ(水餃子)。ビゴスはやや塩気が強いが、違和感のないシチュー。ボルシチは水気が多すぎ、味気はなさすぎでちょっと食欲がわかず残した。ピエロギは皮は本当に水餃子。中身も豚肉なので近いんだけど、ペーストに近いくらいに細かく挽かれているのでちょっと奇妙な食感がある。紅茶は普通のリプトンだったけどけっこう味がよかった。
そのまま通りを歩いていったら、あっさりヴァヴェル城に着いてしまった。トラムじゃないと来れないかと思ってたんだけど、えらく近いんだな。
見晴しは良いが、暑い。
城関係の入場料はけっこう高いし、全部回るとくたびれること請け合い、どうせプラハで城はみっちり見るしなぁ…ということで、大聖堂のみを見学(12zl/人)。聖堂内部はカメラ禁止で、塔を登って大きな鐘だけが撮影可能だった。カチンスキ大統領の墓もある。外に出たところで宝物庫があって、こちらも入場できる。入場券はクーポン式になっていて、かつ聖堂内部からうまく行かないとたどり着けなかったり(案内もあまりない)、と難しい。
歩いてアパートに戻る。中央広場の歴史的な建物の中にGoogleのオフィスがあった。
ビルケナウや今日の日射しでパートナーが熱射病ぎみのダウン。
その間に仕事をしつつ、翌日の飛行機のオンラインチェックイン印刷と空港送迎をフロントに頼み、カルフールに食材の買い物に出かける。肉や野菜、おやつにビールと相当買った気がするのだが、33zl程度だった。
小玉葱と生ソーセージの塩胡椒炒め煮、茹でブロッコリー、ミニトマト、という献立。 ソーセージをいじくり回してたら中身がほとんど出てしまった。わりとおいしい。 ビールはポーランドを代表するZywiec。飲みやすい。
(2) へ。