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KeN's GNU/Linux Diary


2014年08月01日

_ [travel] クラクフ〜ベルリン〜プラハ周遊 (3)

(2) より。


朝、晴れ。昼にはHbf駅からプラハに向かうので、時間はさほどあるわけではないが、空港と違って隣駅からの列車なぶん、余裕はとりやすい。

ちゃんとした朝ご飯を取ってみようということで、近くのフンボルト大学で教鞭をとっていたこともあるアインシュタインゆかりのカフェ、その名も「カフェアインシュタイン」へ。

自分はターキーハムサンド、パートナーはスペシャル朝食セット。サンドイッチは普通めではあるが、ターキーハムのとろける味とフレッシュ野菜・パン、バターの組み合わせが絶妙。紅茶も大きなポットで嬉しい。

パートナーの朝食セットは2人分はあろうかという巨大なパン籠がまずどぉーんと置かれ、次に盛り合わせモリモリ。ハム、パテ、チーズ、ピクルス等々沢山。特にパテは最高に美味。 結局朝食セットの半分くらいを「手伝う」の名の下に平らげたような……。


フンボルト大学周辺。


通称「博物館島」に入ってきた。


大迫力のベルリン大聖堂。謎の石像がある。


いろいろな建築物や屋外アートを見ながらホテルへ戻る。


チェックアウトし、いざHbfへ。

Hbfへのショート交通券を買おうと自販機に向かうがエラーで動かなくなっていたため、有人窓口へ。「ちょっとプラハ行きのチケットを見せてちょうだい」と言われてなんかチェックの必要なことがあるんだろうか、と思っていたところ、「これは"Berlin"発だから、Berlin市内からならどこからでもこれでタダで乗れるわよ! その出そうとしていたお金はいらないわ!(ニッコリ」ととても親切に教えてくれた。ベルリンは全般に人が優しいなぁ。クラクフでスーパーの店員さんなどがけっこうキツめな印象を受けていたので特に。

Hbfへの列車は当初Sバーンの鈍行のつもりだったけど、近郊のほうがすぐ来るようなのでそれで。自転車とベビーカー群がドア入口踊り場に固まっていてなかなか阿鼻叫喚。

Hbf着も、まだプラハ行きの番線がわからない。しばらく提示されるのを待っていたらお昼をゆっくり取る時間がなくなってきた。Hbfの売店でパンを購入。


プラハ行きのホームには大きな荷物を持った旅行者がたくさん。

座席指定予約をしておいたので狙いどおり窓際の席の確保はできたのだが、予約がなくて座れなかった人たちで通路が滞留していて、奥に進めないためか座席を確保できなかったためかともかく女性客が「まざーふぁっかー、ごーあうぇい!」とブチ切れ騒いでいた。 そのうち掃けてきたのは、たぶん隣の食堂車のバーで座り込んで飲んでたのかな。

6席のブース内のほかの乗客は香港からの観光家族。えらく気を遣われて(臭いを気にしてカレーポテトを通路に行って食べるとか、しゃべってるのうるさくないですかと聞いたりとか)逆に恐縮する。

動き出してわりとすぐに検札。

車窓からは牧草地帯のほか、風車や太陽パネルといった自然発電施設が目につくのがドイツらしい。

規則的なリズムに眠くなる(というか、ほかの皆さん全員寝てるし……)。


ドレスデンに着いて、香港家族を含め、大半の乗客が降車。代わりに韓国系の男性、ドイツ?系の男性、途中からはドイツかチェコの女性、がブースの席に。

河沿いを一路プラハに向かう。国境を越えてチェコ側Decinの駅で、機関車がドイツのDBのものから、チェコのAWTに切り替えられた。

定刻に20分ほど遅れて、プラハ本駅に到着。ATMでkc通貨の現金を引き出す。

プラハはトラムでの移動が便利なものの、そのチケットを買うのがけっこう面倒(自販機で小銭しか使えない、下手すると壊れてる、時間制限とか超過荷物料金とかいろいろヤヤコしい)と聞いていたので、この駅のinfoで必要なものを揃えてしまうことにする。

3日(72時間)券(310kc/人)と、これから市内に向かうための1回券(32kc/人)+大型荷物券(16kc/人)。最初はカウンターの人にうまくご理解いただけなくて、3日券だけが渡されてしまう。「いやこれは明日から使うので、今日はこっちがほしいんだ」ということで、無事に必要な券を購入。


トラムに乗り、少し徒歩。 4泊を過ごすアパートメントZlata Brana Apartmentsに到着。いつでもなんでも聞いてね!というGabrielaさんに説明をいただく。 広大な玄関(トイレ部屋付き)、ダイニングキッチン、リビング、ベッドルーム、バスルーム、と自宅より広い気が……。真下がレストランなので、騒音が懸念される。

ダイニングキッチンにはクラクフのアパートにはなかった各種キッチンツール群がちゃんとあるし(クラクフのは置くの忘れてただけなのかも)、食洗器もあるし、バスルームには待望の洗濯機も! 早速洗濯を開始。洗いすすぎ脱水までで乾燥できないことに気付いたが、脱水ができれば洗濯はかなり捗る。乾燥してるからすぐ乾くし、立派な折り畳みハンガーも用意されているので、洗濯環境は十分。


出て右のほうにスーパーがあるよ、ということでトラムを降りた場所まで。ビールMuseumなるバーの入口に飲ん倒れ人形がつっぷしている。

Myというデパートの地下に、大きなTescoがあった。キッチンを活かした調理ができるよう、食材やサラダ油、飲み物などを買い込む。閉店間際で、早く閉めたい店員の案内でExpressセルフレジを体験。全部ピッピし終わるまでしまってはいけないのだね。しかし野菜のように種類があってバラ売りのものは自分だけでセルフレジをこなすのは難しそうだ。判断に悩みそうなところは店員さんが手際よく代行してくれたけど、どうもパンなどはわりと適当にタッチしてるんじゃないかとはパートナーの弁(数セント単位の違いだしねぇ)。 決済は普通にクレジットカードが使える。さんざん買ったけど345kc。うひょ。

アパートに戻って洗濯物を干していると、階下のJazzレストランから生演奏が始まった。本当に真下でやっているので、二重窓とか関係なく、ゴーカな生演奏が聞こえ続けますという状況。幸い夜通しやっているというわけではなく、ゴールデンタイム2時間程度の演奏程度ではあるし、下手ではないから不快というほどでもないのだが。


大きな豚ロースを塩胡椒でじっくりステーキに。野菜はオーブン焼きにする。そして、チェコに来たからにはやはりビールは飲まねばなるまい。水より安いよ。もちろん全部おいしい。

Jazzライブは22時頃には終了したが、レストラン自体は23時頃に静かになる……ということもなく、24時過ぎまでお客さんが談笑し、通りは酔っ払いが「うぇーい」とばかりに叫んでいるのが聞こえたりした。移動で疲れたし、すぐに寝たけど。


翌日も晴れ。今のところ良すぎるほどに快晴に恵まれている。

こっちのベーコンはちゃんと燻製されていて、しかも皮付き骨付きが普通ですよ、奥さん! 当然うまくないわけがない。皮付きでベーコン作るのいいな。トマト、ピクルス、にしんの酢漬けを添えて。酢漬けはまさに「ままかり」そのままの味。


人々が集う中央広場へ。庁舎、時計塔、教会とどれを見ても絵になる。


フーターズもあるそうなので、一部の人たちにも安心ですね。


カフカ巡りの第一弾は、ミクラーシュ教会裏手の「カフカの生家」。下はカフェで特に何かあるわけでもないけど。


ユダヤ人が多く、シナゴーグが点在している。


スペインシナゴーグ(アルハンブラに似てるからこういう名にしたんだって。確かに似ていると言えなくもないか…?)には、「カフカの像」なる奇妙な銅像があり、人気の撮影スポット。


ローカルにも人気のレストランParlamentuで、混む前の早めのランチ(実際食べ終わる頃には満席・相席といった状況になっていた)。ビール、コーラ、グラーシュ(パプリカ入りのシチュー)、ローストポーク。付け合わせのように見えるのはクネドリーキという蒸しパンで、チェコ料理ではこれが売りらしいのだけど、普通のパンと茹でジャガイモのほうがいいんじゃないかという気がする……。ビールと料理はおいしい。


かの有名なカレル橋。観光客と大道芸人の橋。Ingressのポータルになってそうな像が両側に並ぶ。長いみたいだし、日射し強いから途中で引き上げてトラムかメトロを使うつもりだったのだが、さほど苦労なく渡り切ってしまった。


カフカミュージアムはこちら、という対岸の案内に導かれ、ミュージアムへ。入口にある変態紳士小僧が変態すぎて形容しがたい。カフカってそんな世界観だっけ…??

ミュージアム内はいたって真っ当で、家系、恋人たち、仕事、小説、死といった生涯にまつわる淡々とした展示。しかし死んでから秘密日記を公開されるとかってかなりイヤだな(笑)。 ちょっと歩き疲れて足と腰が痛くなってしまった。


ここからどう戻ったらよいかを検索するが、結局徒歩で行けというのがGoogle Mapsさまのご神託。トラムは旧市街の外周を回る & 駅間がけっこうあるので、歩く時間はあまり減らないんだよね。


夜は遅くまでの観劇なので、早めの夕食を作る。のつもりだったのが、いろいろ材料が不足していたため、Tescoに買い出し。またいっぱい買ってきたような気もする。

贅沢に皮付きベーコンを使ったベーコンエッグ・マッシュルーム添え、口直しにプラム。


少しばかり着飾って、オペラ『ドン・ジョヴァンニ』を観にエステート劇場へ。『フィガロの結婚』の大ヒットに気をよくしたモーツァルトが作曲し、このエステート劇場を初演の場として自ら指揮した、という非常に結び付きの強い作品。

日本で予約購入しておいた座席はバルコニー1F。個室に案内される。3席が収まり、前2席のほうが予約したほうで、1席はその背後という構成になっている。背後席は当然値段も違い、舞台は前の人の頭で相当見づらいだろう。劇場の内装は豪華で、選んだ席からは舞台もよく見える。 予約時にはどのサイトでも全然空きがないように見えていたのに、当日行ってみると空席も多く、背後席に人が入ることもなかった。

さて、こういう文化的な場にはまったく疎いのでドキドキしていたのだが、ドレッシーな人ももちろんいるものの、観光客っぽい半ズボンのオッサンもおり(その場所でそれはちょっとどうなのという気もするが)、とそこまで緊張する必要はなかったようだ。


20時に開幕、23時に閉幕。セリフはイタリア語でさっぱりわからないので、パートナーが逐一のセリフの対訳データをNexus7に入れており、それを追いながら観劇していた。あらすじや雰囲気だけでは理解しづらいところもある(拍手すべきかどうかのタイミングもわかりにくい)ので、こうやって詳細を確認しながら深く楽しむ、というのも面白いね。 ベタかもしれないけど、レポレッロとツェルリーナがよかった。


そろそろ24時になろうというのに中心部はまだまだ賑っている。うろうろしていたら「プラハの春」のヴァーツラフ広場に行き当たった。

アパートメントまでの道は遅い時間でさすがにちょっと怖いので、急ぎ足で戻る。

1時頃に就寝。

(4) へ。