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KeN's GNU/Linux Diary


2017年04月04日

_ [computer] 源ノ角/源ノ明朝をRe:VIEWで使ってみる

ゴシック体の源ノ角に続き、明朝体の源ノ明朝も正式リリースされたので、試してみている。 ヒラギノ明朝に近い見映えなので、WindowsやLinuxでの印刷書体に困っていた向きには便利そうだ、と感じた。(※GoogleのNotoとAdobeの源はほぼ同じなので、Linuxの場合は今後パッケージとしてインストールできるであろうNotoのほうが楽かもしれない)

Re:VIEW 2.1 + Debian JessieのTeXLiveで源ノ角・明朝を使うというケースをメモ代わりに掲載しておく。

とりあえず「源ノ明朝」と、「源ノ角ゴシック」を/usr/local/share/fontsに転がしておく(サブフォルダを作って入れてもよい)。ウェイトはいろいろあるが、話を簡単にするためにひとまずSourceHanSerif-Regular.otfとSourceHanSans-Bold.otfのみを例に。

$ ls /usr/local/share/fonts
SourceHanSans-Bold.otf  SourceHanSerif-Regular.otf

TeX自体には不要だが、Debianのシステムでも使うならsudo fc-cacheをかけておくとよい。

次に日本語TeXLive(texlive-lang-japaneseパッケージ)はセットアップされているとして、上記のフォントパスが見えるようにするべく/etc/texmf/texmf.d/01font.cnfのような名前で次の内容を書いておく。

OPENTYPEFONTS = .;$TEXMF/fonts/{opentype,truetype}//;$OSFONTDIR//;/usr/local/share/fonts//

保存したら、「sudo update-texmf」「sudo updmap-sys」「sudo texhash」を順に実行する。kpsewhichでフォントが見つかればよい(フォントを追加したらsudo texhashを忘れずに)。

$ kpsewhich SourceHanSans-Bold.otf
/usr/local/share/fonts/SourceHanSans-Bold.otf

次にuplatex+dvipdfmx用のマップファイルを用意する。ここではhans.mapという名前で/home/kmuto/hans.mapに置くものとする。

uphminl-h unicode SourceHanSerif-Regular.otf
uphminr-h unicode SourceHanSerif-Regular.otf
uphminb-h unicode SourceHanSerif-Regular.otf
uphgothl-h unicode SourceHanSans-Bold.otf
uphgothr-h unicode SourceHanSans-Bold.otf
uphgothb-h unicode SourceHanSans-Bold.otf
uphgotheb-h unicode SourceHanSans-Bold.otf
uphmgothr-h unicode SourceHanSans-Bold.otf

uph{min,goth}のあとのl,r,b,ebはウェイトなので、ほかのフォントウェイトバリエーションも入れたらそれぞれ置き換えていけばよい。

では、これを使ってみる。Re:VIEW原稿のフォルダに移動し、config.ymlのdvioptionsに先のマップファイルを指定する(一時フォルダ内でPDFがビルドされるので、マップファイルは絶対パスで指定する必要がある)。

dvioptions: "-f /home/kmuto/hans.map"

これで、review-pdfmaker config.ymlで源フォント埋め込みのPDFになる。

源フォント埋め込み

おまけ: @<b>を明朝太字でなくゴシック+サンセリフにするreview-ext.rbの例。

module ReVIEW
  class LATEXBuilder
    def inline_b(str)
      %Q[{\\bfseries\\sffamily #{escape(str)}}]
    end
  end
end