ファイルは、 ディレクトリという概念により、効率的に管理されます。 ディレクトリの概念は、引き出しを想像することで理解しやすいと思います。 1つの引き出しにすべての小間物を入れておいてしまっては、ある物を探す時に 非常に面倒です。文房具なら「文房具」、鍵なら「鍵」、といった小間物入れ をその中に作っておけばすぐに発見することができます。ディレクトリとファ イルは、例として次のような構造になっています。
/ --- cogsci --- usr1 --- kmuto --- FILE |- home |- usr2 |- tutiya : |- usr : : :
/という引き出し(一番根元なので ルートといいます。)の中に、 cogsci, home, usr, といった引き出しがあ り、 cogsciの引き出しのさらにその中に usr1, usr2, 、その内の usr1の中に kmuto, tutiya, 、 kmutoのその中にお目当てのファイル FILEがある、と いう構造です。 FILEの位置は、 /cogsci/usr1/kmuto/FILEという 形で示すことができます(これを パスといいます。)。
ホームディレクトリは、ログインした時のあなたのディレクトリ上の位置 です。 cogsciであれば、 /cogsci/usr1/ ログイン名 という形になります。ログインすると、自動的に cogsciの引き出し、そ の中の usr1の引き出し、その中の ログイン名の引き 出しを開いて、それをあなた個人の引き出しとして使うことを許可する訳です。
カレントディレクトリは、今現在のあなたのディレクトリ上の位置です。 引き出しだから、当然、閉めたり、再び開けたりもできます。その時にルート から見てどこまでの引き出しを開けているかを示すのがこのカレントディレク トリです。
パスの示し方には二とおりあります。1つは 絶対パスで、
/cogsci/usr1/kmuto/FILEのようにルートから見た引き出しの順番を /
で分けながら書き表していく方法。もう1つは 相対パスで、今、カレン
トディレクトリが /cogsciならば usr1/kmuto/FILEのように記述す
る方法です( usr1の頭に /がないことに注目してください。)。相
対パスは、カレントディレクトリの位置からどのように引き出しを開けていく
かを記述します。この相対パスでは、 .でカレントディレクトリ、
..で1つ上のディレクトリ、 でホームディレクトリを表すことができ
ます。よって、先の例で、自分のログイン名が kmuto、カレントディレ
クトリが /cogsciだとすると、 /cogsci/usr1/kmuto/FILE,
usr1/kmuto/FILE, ./usr1/kmuto/FILE,
../cogsci/usr1/kmuto/FILE, E /FILEは等価です。