あなたのホームディレクトリを ls -aで見てみると、 .のついたファ イルがいくつかあります。この内、あなたにあった環境設定をする上でよく編集す る事になるのは、 .cshrc,.xsessionです。 .xsessionはX-Window の設定に使われます。これについては拙著の「X-Winodowの使い方」を参照し て下さい。ここでは、 .cshrcについて説明します。
.cshrcはログイン後、UNIXを使う上での各種の環境設定を行っています。 setは変数の設定、 setenvはより大きな環境の設定に使います。 それぞれコマンド入力状態で実行することで現在の設定を表示します。
set path:コマンドを入力する時、たとえば /usr/local/X11R5/bin/ktermと入力するのは非常に面倒です。ここにディレ クトリ名を書いておくことで、そのディレクトリ内から順にコマンドを探して いきます。ディレクトリとディレクトリの間には空白を入れます。 .,+++++ も入れておきましょう。注意として、この行は ()の間に Returnを 入れてはいけません。一行内の文字が多くなると Emacsは勝手に Returnをしてしまう事があるので注意して下さい。のようにそ の後にまだ行が続いていればO.Kです。 $ lpathと書いてある時もありま す。これは、 lpathという変数の内容をその中に挿入する、ということ です。 pathの設定の前に lpathの設定があるはずなので調べてみ て下さい。
set lpath:上を参照して下さい。
setenv LD_LIBRARY_PATH:コマンドで参照するライブラリの あるディレクトリの設定を行います。これの変更をする時はシステムの管理者 から連絡があります。通常は変更の必要はありません。
set ignoreeof: ctrl-dでログアウトする事を禁止します。
set noclobber:後で説明するパイプ処理でのファイル出力の 上書きを禁止します。
set notify:後で説明するバックグラウンド処理の終了を表示 します。
set prompt: cogsci{kmuto}%のような表示を設定し ます。`で囲んだ所にコマンド( whoamiや hostname)を入れること でその結果を挿入します。
set history:UNIXでは今まで使用したコマンドを記録してい ます。ここに設定された数値はそのコマンド履歴をいくつまで保持するか、とい う意味です。今までのコマンドの履歴は、
history
コマンドの履歴を表示します。
というコマンドで見ることができ、 !ヒストリーナンバー によっ て再実行します。直前のコマンドは、 !!、その1つ前のコマンドは、 !-1 で再実行できます。
set filec:これはデフォルトでは設定されていません。これ を設定すると、 ESCキーを押すことでカレントディレクトリ内を検索し てファイル名の補間を行います。たとえば abcdefgというファイルがある 時、 aの後 ESCを押すと abcdefgと補間します。ほかに a から始まるファイルがある時には警報音を出します。そのような時はさらに bを加えれば abから始まるファイルを検索します。
alias:UNIXの環境設定で一番使うのがこれです。 aliasは、コマ ンド名の置き換えを行います。これによって判りにくい長いコマンドを簡単な コマンド名として入力することができます。
alias [別名 コマンド名]
コマンドを別のコマンド名に置き換えます。コマンド名にオプションなどがあっ て空白が入る時には 'で囲むことで表現できます。パイプ処理(後に説明 します。)も可能です。引数を含む時には、 !*を使うと、そこが引 数全体に置き換えられます。引数を1つずつ取りたい時には、 !1,!2と取っていきます。別名やコマンド名を省略すると現在の別名の登 録状況を表示します。
source:これもデフォルトでは設定されていません。ほかの環境 設定ファイルをそこに挿入します。
source 入力ファイル
.cshrcなどの環境設定の形式で書かれたファイルを挿入します。コマン ド入力のモードで source .cshrcを実行することで、変更した .cshrcの結果をすぐに得ることができます。ただし、この変更はマルチウィ ンドウの時にはそれを実行したウィンドウの中でのみ通用します。