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2.3 タグ

HTMLの根幹はタグに集約されます。最初に紹介したように、SGMLをベースとして作られたHTMLは、テキスト文字列のタグを使い、テキストを修飾します。

HTML(およびSGML)のタグは次のように記述します。

<タグ名>修飾される文字列</タグ名>

たとえば、「本ドキュメントについて」という文字列を「見出しレベル1」にするのであれば、次のように記述します。


<h1>本ドキュメントについて</h1>

見てわかるように、<>h1/もすべて普通にテキストエディタを使えば入力できる文字です(<>を通常の文字列として扱いたい場合には、4.4 を参照)。h1は見出し(ヘディング)レベル1、という意味のタグ名です。一般的に、修飾を開始するタグ(<タグ名>)を開始タグ、後に出てくるタグ(</タグ名>)を終了タグと呼んでいます。

ほとんどのブラウザでは、このタグによって修飾された文字列の文字の大きさを大きくし、ボールド体などにして見出しと明らかにわかるようにします。しかし、文字を大きくしたり、ボールド体にするためにこのタグを使うことは誤りです。HTMLのタグが(主に)表現するのは「見出し」のような意味であって、「大きい文字」や「ボールド体」のような見栄えではないからです。

タグ名は大文字でも小文字でも構いませんが、本ドキュメントでは小文字で統一しています。

タグの中には、アトリビュート(attribute:属性)を付けることができるものがあります。アトリビュートは、いわばオプションに当たるものですが、必ず付けなければいけない場合もあります。本ドキュメントでは、必須のものには[必須]、省略可能なものには[省略可]の印を付けています。アトリビュートは、次の形式で開始タグの中に指定します。

アトリビュート名=""

が数値の場合には"を省略することもできます。

たとえばh1タグには、idというID番号を付けるアトリビュートがあります7

前述の例に"about"というIDを付けると、次のような表記になります。


<h1 id="about">本ドキュメントについて</h1>

アトリビュートは必ず開始タグの方に記述します。アトリビュートが複数存在する場合は、スペース文字やタブ文字、改行文字などで区切ります。間が空きさえすればこれらのどの文字をいくつ入れても構いません。

ほとんどのブラウザではかなりルーズにHTMLを解析してくれますが、厳密には次のような表記規則があります。

タグによっては、タグで囲んだ文字列の中に別のタグおよび文字列を入れて入れ子にすることができます。たとえば次の例のように、段落を意味するタグ<p></p>の間で強調を意味する<em></em>を使うことができます。


<p>
段落の中の<em>強調</em>です。
</p>

本ドキュメントでは、開始タグと終了タグおよびそれに囲まれる部分をタグ環境と呼ぶことにします。

タグの中にはEMPTYタグと呼ばれる終了タグが存在しないものがあります。たとえば画像を差し込むimgタグには終了タグがありません。これはそのタグが特定の文字列を修飾するものではなく、単体で意味をなすためです。

また、Omitタグ(省略タグ)と呼ばれる「終了タグを省略しても良い」タグも存在します。たとえばリストの項目を意味するliタグは終了を意味する</li>を記述しなくても良いことになっています。ただ、あくまでも「省略可能」という意味ですし、文書構造が不明確になる可能性がありますから、乱用は避けるようにしたほうが良いでしょう。



Kenshi Muto
平成11年9月19日