HTMLはHyperText Markup Language(ハイパーテキストマークアップ言語)の略で、CERN(欧州原子核共同研究所)によって定義されました。
マークアップ(markup)とは、あるテキストに対して、特殊な修飾情報を加えることです。例えばワープロではフォント情報や索引付けなどのマークアップを行うことができるようになっています。
CERNの目的は、世界各地の大量の論文をインターネット(Internet)を使って有機的につなげることができるサービスを作り上げることでした。このサービスが「World Wide Web」(世界中に張りめぐらされたクモの糸)です。つなげるためにはテキスト中にほかのテキスト(あるいは画像や音声)へ飛ばすための「リンク」が必要です。このように通常のテキストにさらに別の情報(たとえばリンク)が付加されたものをハイパーテキストと呼んでいます。
これから書くものだけでなく、既存のドキュメントを簡単にハイパーテキスト化できるよう、HTMLは簡易で、かつ特定のワープロなどに依存しないものである必要がありました。CERNが参考にしたのは、SGML(Standard Generalized Markup Language−標準汎用マークアップ言語)です。SGMLはISOで定義された国際標準のマークアップ言語で、「タグ」と呼ばれるマークアップもテキスト文字で記述するため、どのようなテキストエディタでも記入できます。
ただ、SGMLは高機能であるものの、かなり複雑なためにHTMLはかなり縮小された形で実装されました2。